FC-100DZ鏡筒はフローライトレンズを採用した二枚玉アポクロマート屈折式望遠鏡です。FCシリーズは色収差の少ないフローライト対物レンズが採用されたフォトビジュアルな屈折望遠鏡として1981年に初代FC-100がデビューして以来改良を重ねてきました。FC-100DZではフローライトレンズと組み合わせるレンズを部分分散の相性の良い高屈折硝子にすることで色収差をさらに低減させることに成功いたしました。これにより、460nm～670nmの可視光領域全体においてストレール強度90％以上、眼視強度を付けたストレール比で97.6％と、FC-100DLを上回る眼視性能を実現しています。

従来の二枚玉フローライト対物レンズは波長毎の球面収差にばらつきがあり、明るい対物レンズの場合は軸上色収差が少なくても青から紫の短波長側のハローが増加していました。そこでFC-100DZ鏡筒ではそれぞれの波長毎の球面収差に微妙な高次収差を与え短波長側のハローを減らし、高倍率性能に要求されるストレール強度を向上させるという光学設計を実現しました。デジタル写真で問題になる青から紫色のハローもFC-100Dの約半分に抑えています。

鏡筒バンド、接眼レンズ、 天頂プリズム、赤道儀、三脚等は別売です。

こんな方におすすめです！

10cmという口径は上空の気流や鏡筒内部の温度順応という点で大口径よりその影響を受けにくく、性能と安定性のバランスが良く取れていて扱いやすい口径といえます。加えてFC-100Dシリーズの鏡筒は口径10cmの鏡筒としては特に軽量で、外見は口径8cmクラスの望遠鏡とほぼ同様の大きさながら口径の差によるワンランク上の見え味を堪能できます。フローライト(蛍石)が対物レンズに使用されているので結像性能が高く、大口径の反射望遠鏡にも劣らない優れた解像感とコントラストを示します。FC-100DZ鏡筒は他の2機種とは異なる対物レンズを使用することで高倍率眼視性能を一層高めたモデルです。2枚玉の屈折望遠鏡としては最高レベルの結像性能を実現しています。圧倒的な結像性能を有した扱いやすい良質な中口径の屈折望遠鏡を永く使いたい方にお勧めです。

スライドフード

スライドフードの採用により非常にコンパクトに収納ができます。フードを格納すると全長770mmになり、さらに接眼部品を外すことで595mmまで小さくすることができます。接眼側の蓋は別途ご用意ください。口径10cmクラスの屈折望遠鏡とは思えないほどコンパクトに収納できます。収納に市販の高級なカメラレンズ等用のアルミケースをご用意いただければ、運搬するときの衝撃を防ぎやすく安心して持ち運ぶことができるようになります。




レデューサー、フラットナー(別売)
写真撮影には別売の FC-35レデューサー0.66×や FC/FSマルチフラットナー1.04×を併用することができます。FC-35レデューサー0.66×を組み合わせることで焦点距離530mm(F:5.3)、FC/FSマルチフラットナー1.04×を取り付ければ焦点距離820mm(F:8.2)の撮影用鏡筒として運用できるようになります。どちらもフルサイズに対応するイメージサークルを持ち、撮影対象に合わせて幅広く活用が可能です。



※FC-100DZ +FC-35レデューサー0.66×のスポットダイアグラム



天体写真作例は こちら







※FC-100DZ + FC/FSマルチフラットナー1.04×

主な仕様
形式		2群2枚 フローライトアポクロマート
有効口径		100mm
焦点距離		800mm
口径比		1：8.0
鏡筒径		95mm
全長		840mm(フード収納時770mm)
質量		3.9kg
対物フード外径		124mm
ドロチューブストローク		63mm
メタルバック(*)		225mm
付属品		6倍30mmファインダー
備考		フード摺動式
(*)接眼体後端より焦点面までの距離
FC-35レデューサー0.66× 使用時
焦点距離		530mm
口径比		1: 5.3
イメージサークル		φ44mm
対応CA-35		CAリング102 [KA23202]
FC/FSマルチフラットナー1.04× 使用時
焦点距離		820mm
口径比		1: 8.2
イメージサークル		φ44mm
対応CA-35		マルチCAリング100 [KA19203]

システムチャート
写真／眼視
FC-35レデューサー0.66×
エクステンダーQ1.6×(50.8)